井上さんは損害保険ジャパン株式会社から出向し、社外のベンチャーで データを活用した新規事業に取り組んでいます。「人とひとをつなぐ場をつくり課題解決するひと」を自称する井上さんの取り組みについて、お伺いしました。
<プロフィール>
- 氏名:井上 知亜紀さん
- 生年月日:1978年生まれ
- 会社:損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン。現在は、社外のFintech系ベンチャー企業に出向中)
- 役職名:課長代理(出向先での役職 マネージャー)
- 職種:企画職
- 簡単な経歴:2001年に損保ジャパンに入社し、以下の社歴を経て現在に至る
・事務部門/IT部門での営業サポート(6年)
担当業務:企業団体向け保険や給与控除システムに関する営業サポート
・子会社経営企画/管理(3年)
担当業務:ヘルスケア系子会社の経営企画/管理、グループ横断での人材育成策の企画・推進
・人事での要員管理(3年)
担当業務:人事異動・チャレンジ制度の運用と効率化対応(システム化)、人事システムの保守運用
・医療/福祉マーケットの営業推進・フロント(4年)
担当業務:医療マーケットでの所得補償保険/生命保険の推進、新商品開発、営業
・(持ち株会社のSOMPOホールディングスへ出向)新規事業開発(3年)
担当業務:保険以外の新規事業の企画・検討(2年)、グループ内のデジタルを活用した新規事業や効率化のアクセラレーション(1年)
【現在】(社外出向)個人情報等データを活用した新規事業とマーケティング(2年目)
井上 知亜紀さんにインタビューしました!
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください
銀行と通信会社が合弁で立ち上げたFintech企業に出向し、ユーザーから任意に取得したパーソナルデータを安全に管理し、流通させる「情報銀行」の立ち上げに関わっています。
出向する以前は、SOMPOグループと国内外のパートナー企業との協業で、持ち運べる物(スマホ)などに付帯する1日保険の開発をしたり、グループ内のヘルスケア系企業と国内外のスタートアップ企業とのコラボによるHealthTechの推進・新商品の開発などをしていました。
新規事業開発に携わる事になったきっかけを教えてください
営業部門で新しい保険商品の開発を担当していましたが、その際に必ず立ちはだかったのが、「システム改修」の壁でした。
デジタルを活用したら、システムを改修せずとも新商品開発が出来るのではないか?と考え、デジタルを活用した新規事業開発部門へのチャレンジを決め、社内のチャレンジ制度を活用して異動しました。
その後、過去の経歴もあり、Healthtechに関わらせてもらえるようになり、その中で健康に関するパーソナルデータ(センシティブ情報やパーソナルヘルスレコードなどと呼ばれるもの)を管理・保管する場所として「情報銀行」が有用なのでは?という流れになり、「情報銀行」に着目・リサーチしていました。
そんな中で、社内の担当部署から親密な取引先が立ち上げたFintechベンチャー企業が情報銀行の立ち上げをするから出向して一緒にやってみないか?という話があり、情報銀行の立ち上げに携わるようになりました。
今、担当されているプロジェクトはどのような状況ですか?
出向元で関わっていたサービスは、一旦ローンチしましたが、テストマーケティングの段階で市場の需要が見込めなかったため現在はクローズしています。
現在出向先で関わっているサービスは、ローンチに向け準備中です。
事業開発の担当になってよかった!と思えるHappyなエピソードはありますか?
もともと人と繋がることが好きで、知らない人とどんどん知り合ったり繋がったりして、ネットワークを拡大していくことに喜びを感じるタイプで、「新規事業」はリサーチとネットワークが宝になりますので、これまでになかったネットワークを広げることができること、また経験の幅や視野が広がったのはとても良い経験だったなと思いますし、今もそこに価値を感じています。
また、いろいろな横のつながりが大事だと思ったことをきっかけに、SOMPOグループ内で「SOMPOCotton倶楽部」という勉強会やイベントにより、グループ内外とのつながりを作ることで共に成長していくことを目的とした有志の団体を立ち上げて活動をし始めました。
いまではグループ内でも認知が広がり、多くの方がイベントや活動に参加してくれるようになり、役員層なども参加してくれるようになっていて、グループ内での変革を感じています。
またその活動で発起から3年半代表をさせて頂き、プチ“リーダー体験”をさせて頂けたのも良い経験でした。
逆に、事業開発の担当になって、大変だったこと、苦労したことは何ですか?
一つは良いアイデアを思い付いた!と思っても、それは既にある物だったりして、事業化を検討するに値するアイデアを発想することがとても大変なことと、やっと前に進めそうになっても、自社だけでは完結出来ない場合、パートナーとの関係構築なども一筋縄ではいかず大変なことですね。
でもこの苦労を経験したことで、色んなタフさが身に付いたとも思っています。
また、新規事業を立ち上げたり進めていく上では、チームビルディングが大事(良いチームこそ、良いアイデアが出るし、良いアイデアを折れずに前に進めていける)になるのですが、なかなか一体感のあるチームビルディングが難しく、色んなことを試行錯誤したことです。
その状態をどう乗り越えましたか?
元々出向前のSOMPOグループの新規事業部門では「デザイン思考」を身につけ、実践していましたので、出向先でも「デザイン思考」を取り入れようと、さまざまな取組を提案しました。
実際にそれを一人で進めていくには、自分の理解の促進や社内外の仲間づくりが大事だなと思い、多摩美術大学が主宰するクリエイティブリーダーシッププログラムに参加し、改めてビジネスの中でデザイン思考を取り入れるために必要なことやプロセスを体系的に学びました。今はそれを実践に活かしています。
また、「SOMPOCotton倶楽部」内で小さなチャレンジと失敗とその改善という小さなPDCAを回せたことで、事業での失敗が怖くなくなりました。
有志団体の立ち上げから周囲に認知されるまでや、企画をする幹事メンバーのチアアップなどは大変なことの連続でしたが、その時間があったからいまの自分があると思っています。
今、取り組んでいることはどんなことですか?
デザイン思考を学び、それを様々なシーンで活かしていくことを今も継続しています。
今後の目標やプランを教えてください!
2年間の出向期間が来年3月で終わり、またSOMPOグループに戻る予定です。それまでに多摩美術大学のプログラムで学んだことをいかに実践に落としていけるか? を日々PDCAし、できれば関わっている事業のローンチも出来ればと思っています。
出向から戻ったあとの所属はまだ決まっていませんが、デザイン思考を活用した組織デザインなどに関わりたいと思っています。子会社の人事・総務部門で会社や組織のパーパスづくりによるチームビルディングや、組織やチーム、職種別コミュニティの活性化などにより、新規事業やDX部門の盛り上げや人材育成に繋げていきたいです。
PRしたいことなどを、どうぞ!
私のパーパスは「カラフルな個性を繋げ、課題解決と新たな価値を創造し、共に成長していく」です。
新規事業に関わり、様々な方と出会う中で、会社の中での事業立ち上げだけじゃなく、小さくても自分で何かやってみたいというアントレプレナー精神が湧いてきまして、自分の強みである「ひとと人を繋げる」や「人の話を聴くことで、課題を解決したり価値創造をする」ことを活かし、イベントスナックのママをしたり、人を繋げるイベントをしたり、コミュニティマネージャーなどをしています。
今後は、副業や事業に繋げるなど拡大していきたいと思っているので、コラボできそうな方がいらっしゃったら是非繋がりたいです。
最後に、未来のイントラプレーヌに向けてメッセージをお願いします!
新規事業部門に入り、他社の新規事業担当の方と交流している中で、女性の新規事業担当の少なさに衝撃を受けました。
私も当初は10人の部署で2人だけの女性で、女性ならではの悩みが話しにくかったり、新規事業担当者同士での夜のネットワーキング(飲み会)の多さにプライベートが犠牲になったりしてモヤモヤすることも多くありました。いまは女性がだいぶ増えた印象です。
自分の強みや特性を上手に活かすことで女性が少ない環境でも新しいことや新しい事業の立ち上げに省力で関わることも出来ます。
また、このVUCA(※)の時代では、新たなことに挑戦し失敗することで成功に繋げて行く。小さな失敗を積み重ねずして大きな成功は得られないと思いますので、臆せずに小さなチャレンジを続け、大きな成功を一緒に掴んでいきましょう!
※VUCA – 先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態
SOMPOホールディングス https://www.sompo-hd.com/
7時半 起床
| ストレッチ&ヨガ・朝食
9時~ リモートワークで業務開始(オフィス出社は週2回以下)
午前:前日または先週の業務の進捗やメールチェック、メルマガ配信に関するデータ分析や画像加工など
午後:社内外とのミーティングや分析データ等のまとめ資料作成など
18時半~19時ごろ 業務終了
曜日により、習い事のテニスに行ったり、友人とサウナや会食に行ったり、オンラインイベントや飲み会をしたりし、24時頃就寝