山近さんは、大手通信会社で日本のジェンダーギャップを埋める新規事業を行っています。【男らしさや女らしさのジェンダーバイアスにとらわれずに、誰もが自分らしく生きられる社会を実現したい。】という想いから発した事業だからこその苦労、そしてその苦労を乗り越えるための取り組みを、語っていただきました。
<プロフィール>
- 氏名:山近祐加子
- 会社:大手通信会社
- 役職名:主査
- 簡単な経歴:新卒で関西支社入社後、営業や企画、秘書を経て、東京本社転勤。元グループ会社の料理教室運営企業に出向後、本社復帰し新規事業の立ち上げに携わる。
- 現在は、セキュリティサービスの事業計画等に従事。2017年度ダイバーシティWGメンバー。社外活動として、女性が一歩踏み出すことを推進する一般社団法人Lean In Tokyo運営。
- ご自身の年齢 :38歳、1983年生まれ
ジェンダーバイアスにとらわれず、誰もが自分らしく生きられる社会を!
現在のお仕事の内容を簡単に教えてください
本業は、お客様をフィッシングメール等から守るための迷惑メール対策や、ユーザー数2000万人を超えるセキュリティサービスの事業計画を行っています。
またこのほかに、社内起業プログラムで最終選考に残ったことで、業務の一部の時間も使って新規事業の検討を行っています。
既存の事業と新規事業の両立は大変そうですが、平日1日のスケジュールを簡単に教えていただけますか……?
1日はこんな感じです!
7:30 起床
9:00 在宅勤務開始
社内外のmtg、資料作成(本業)
12:00 ランチ(業務外のオンラインランチをすることも)
13:00 社内外のmtg(本業)
14:00 新規事業をメンターに相談
15:00 データ分析、資料作成(本業)
19:00 業務終了
20:00 料理・夕食
21:00 情報収集など
23:30 就寝
山近さんが新規事業開発を面白い、と思ったきっかけは何ですか?
前職で、新規事業のサービス開始からリニューアルに携わり、新規事業のおもしろさを知りました。特にインタビューで傾聴を重ねて、「お客さまが憑依するレベルで理解する」というプロセスがものすごく楽しかったんです。
そこで今後のキャリアでも新規事業に携わりたいと思い、仲間が応募していた社内起業プログラムにジョインすることを決めました。
今一緒に新規事業に携わっているということですが、その事業はどのようなことを目指していますか?
「ジェンダーバイアスから自由になり、力を発揮できる世界をつくる」ことにつながる事業を作るというビジョンを掲げて、実現方法を模索しています。当初構想したサービスから、顧客インタビューを重ねてまったく別のサービスに変更し、社内起業プログラムの最終選考で選ばれました。
今は本当に顧客がその課題解決を求めているのか? に立ち返って、顧客理解を深めるためのインタビューを実施しているところです。
想定した解決策にとらわれずに、本当に顧客に必要とされるサービスにしていきたいと考えています。
ズバリ、山近さんが考える、新規事業開発担当者の醍醐味とは……?
前職で経験したことなのですが、当時、お客様の真のニーズを探し、アンケートやインタビュー、自宅訪問を何度も何度も繰り返していました。
さまざまな意見やヒントをいただく中、とあるお客様の意外な行動の理由を聞いたことがきっかけで、それまで点と点だったことが、一本の線で繋がり、コンセプトとして浮かび上がってきたんです。
「キターーー!」と思ったあの瞬間の喜びは、それまでの仕事で経験したことのないもので、これぞ新規事業を考える上での醍醐味だと感じています。
逆に、事業開発の担当になって、大変だったこと、苦労だと思うことは何ですか?
事業として成立するモデルを確立するまでの試行錯誤が、最も大変だと感じます。
既存事業は目標が決まっていますが、新規事業は、販売数、解約率、獲得コスト等、何をどのようなバランスで目標とするのが正解なのかがわかりません。
猛ダッシュで正解を探し、成功モデルを見つけなければ事業が継続できないプレッシャーはかなりきついと感じました。
そのプレッシャーをどう乗り越えようとお考えですか?
まだ試行錯誤をしているところですが、当初の目標を、サービス開始後の実態に合わせて見直しをはかりました。
新たな目標達成のためにサービスをリニューアルすることになり、ゼロからお客様のお困りごとに向き合うことがはっきりとわかったことで、より良い改善点が見えてきましたと思います。
今の事業開発で取り組んでいること、取り組んでいることは何ですか?
今取り組んでいるのは、顧客理解を深めるためのインタビューです。
私たちの想定顧客は「大企業の人事部でダイバーシティ推進に携わる人」です。一定数集めなければ顧客を理解することはできませんが、該当する人が限定的なので、探し出してインタビューを受けていただくことに苦労しています。
ただ、新規事業は顧客理解が命だと思っているので、地道で大変な活動ですが、メンバーの人脈を総動員して、なりふり構わず取組んでいます!
今のビジネスの目標を教えてください!
当面の目標は、社内起業プログラムの役員に向けた最終ピッチで、事業化につなげることです。頑張ります!
ジェンダーギャップを埋めるために、なにかPRがあれば、ぜひお願いします!
日本のジェンダーギャップ指数は世界156か国中120位で問題視されていますが、なかなか改善しません。
【男らしさや女らしさのジェンダーバイアスにとらわれずに、誰もが自分らしく生きられる社会を実現したい。】という思いを共有する方々と、官・民・学、ボランティアなどあらゆる方面から一緒に取り組めたらと思います。
共感するところがある方は、ぜひご連絡ください!
最後に、未来のイントラプレーヌに向けてメッセージをお願いします!
新規事業は、苦労も大きいけれど、自分の魂を込めた仕事ができる実感があります。
社内では少数派かもしれませんが、横のつながりを作りながら、一緒に新たな価値を社会に生み出していけるとうれしいです。